和食の居酒屋 新鮮で美味しい築地直送の刺身、煮魚や焼き魚も食べられます。

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和食のススメ

by 薬食フードライフ研究家 沢木みずほ

世界一の長寿国となった日本。50年後には、65歳以上の高齢者が、総人口の35%を突破するといわれている。平均寿命は女性89歳、男性81歳。107歳まで生きられた彫刻家の平櫛田中(ひらくしでんちゅう)翁がいったように、「60、70は、鼻たれ小僧」といえるだろう。長生きするには、病気にならない体を作ることが大切だ。仮に病気になったとしても、早期に健康体に戻る努力をすればよい。健康な体はよい食事で作られることは誰でも知っている明白な事実だ。食生活に無神経であるということは、自分の命を削っているといっても過言ではないだろう。今、世界では、長生きする日本人の食生活に注目が集まっている。健康を保つ理想的な食を突きつめていくと、それは昔ながらの伝統的な日本食「和食」に限りなく近いものとなっていく。米を主食とし、タンパク質は魚と大豆、少しの肉でとり、季節ごとの旬の野菜をしっかりとる。海藻、山菜、キノコもとる。「和食」の基本的な「一汁三菜」の構成は、栄養のバランスが取りやすい。この栄養バランスが、日本人を長寿に導いたのである。

和食と健康

「鰯の頭は鴨の味」、これは古くから伝わることわざだ。焼いたイワシの一番おいしい部分は、頭部という意味だ。こんがりとあぶったイワシの頭は、カモをよせつけないほどのうまさがあるという。イワシの頭のかすかな苦味が、ほどよい脂、塩味となじんで、実にうまい。イワシの素晴らしさは、丸ごと食べられる「一物全体食」にある。骨や頭部などを除いて身の部分だけを食べる魚を「白米」とすれば、頭からしっぽの先まで食べることができるイワシのような魚は、「玄米」だ。イワシには、新しい細胞を作る上で欠かせない、良質のタンパク質を始め、脳細胞や体細胞によい脂質、ビタミンA、B類、D、E、カルシウム、鉄分、亜鉛、核酸など、多彩な成分が豊富に含まれている。まさに「海の玄米」と呼ぶにふさわしいだろう。豊富なカルシウムが精神の安定を促し、核酸やDHA(ドコサヒキサエン酸)などがボケや寝たきりを予防する。このイワシをメインに米、味噌汁、納豆、漬物などが加わり、完全な健康食になる。和食のすばらしさはここにある。

和食とコレステロール削減

血中コレステロールを低下させ、中性脂肪を減らす働きや、糖の吸収を阻害する成分として、タウリンやベタインというアミノ酸がある。イカ、タコ、エビ、カニ、ホタテ、サザエ、アワビ、カキ、アサリ、シジミなどに含まれ、和食によく登場する食べ物だ。タウリンは魚介類に多く含まれ、肉類にはごく少量しか含まれていない。コレステロールを低下すると同時に、強い抗酸化作用があり、肝機能を高めたりインスリンの効果を高める作用もある。イカ、タコに多く含まれている。「海のミルク」と呼ばれ栄養価の高いカキにも、ヌメリの部分にタウリンが含まれている。また、アサリやシジミといった貝類にも含まれている。魚の中では、アジがタウリンを多く含んでいる。アジはまたIPA(イコサペンタエン酸)も多く含んでいて、IPAはタウリン同様、血中コレステロールを下げ、血栓を防ぐ働きがある。ベタインはエビやタコのうま味を構成している。タウリンやベタインを含んでいる甲殻類や貝類は、低カロリーで、ダイエットにも向く。

和食と美容

年を取ると人間の体からは、だんだんみずみずしさやしなやかさが失なわれ、老化が始まってくる。この老化現象と大きく関わっているのがコラーゲン。コラーゲンはタンパク質の一種で、体内のタンパク質の3分の1を占めている。体の各組織や臓器などの細胞を結びつける主成分だ。皮膚そのものを作っているので、皮膚や髪の毛に張りを与え、若々しさを保つ。不足すると肌から弾力が失われ、シミや肌のたるみが発生しやすくなる。血管のコラーゲンが減少すると、血管壁が固くなり、動脈硬化を促進する一因になるという。カレイやヒラメの縁側(背ビレと尻ビレのつけ根の身)に多く含まれており、煮こごりにして食べると、コラーゲンを逃がさずに食べられ効果的だ。他にヒラメ、フカヒレ、エビ、ドジョウ、ナマコなどに含まれている。コラーゲンは、ビタミンCと一緒に取るとよりいっそうの効果がある。

和食でボケ予防

記憶力を高めたかったら魚に限る。魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)という必須脂肪酸のひとつである不飽和脂肪酸が含まれている。DHAは人間の脳細胞の脂質のうち、10%前後を占めていて、記憶力や学習能力と密接な働きがある。DHAには、壊れかけている脳の神経細胞を修復する働きがあるのではないかと期待されている。事実、アルツハイマー型痴呆症の人の脳には、DHAが正常の人の半分しかないというデータがあり、いかに重要な働きをしているかが実証されている。日本人は昔から魚を豊富に食べてきた。その食べ方も醤油や味噌といった大豆のアミノ酸と塩味のなじんだ調味料と一緒に食し、脳細胞の老化防止に欠かせないレシチンも一緒に摂取することで、脳の働きを高める食べ方をしてきたのだ。刺し身を好む和食の魚の食べ方は、DHAやEPAを無駄なくとる最も効果的な食べ方だ。アルツハイマー型のボケ予防に大きな期待が出来るだろう。

和食で長生き

青森市の三内丸山遺跡跡から、みごとなタイの骨が出土した。今から約5千年位前の、縄文時代中期のものと見られるマダイの骨だ。長さが1メートルにもおよび、しかも背骨がつながった状態で見つかったため、マダイを三枚におろし、生で食していたと想像される。日本人の刺し身好きは、はるか縄文時代にすでに開花していたのである。タイの刺し身は奈良時代の文献からも、なかなかのご馳走であったと推測できる。タイは、赤い色が美しいだけでなく、味もよく、長命である。一般に魚は短命だ。しかし、マダイに限っていえば、40年以上長生きするケースもあるという。江戸時代の『本朝食鑑』に、「鯛を常食すると、顔の色がよくなり、寿命ものびる」とある。タイの皮の赤い色素は、アスタキサンチンといい、赤い色をした魚などに含まれている成分で、たいへん強力な抗酸化作用がある。この抗酸化作用が老化防止に役立ち、タイは不老長寿に欠かせない魚となっている。タイ同様、キンキやキンメダイなど、赤い魚の体表部はアスタキサンチンの宝庫だ。皮ごと食べることをおススメする。


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